~草魚とは~
レンギョと同様に戦後のタンパク源として中国大陸から持ち込まれた。ハクレン90%に対して、草魚は10%。アオウオとコクレンは1%にも満たなかったのではないかと言われている。草魚はその名前の通り草を食む草食の魚であるため、各地で水草の除去の為に放流されている。しかしながら食欲は非常に旺盛であり一日で体重の1割以上も草を食べると言われている。周囲の静かな時に岸部に忍び寄り、忍者のように草を食む。また、学習能力も非常に高く、警戒心も半端ではない。主食が植物とは思えないほどのパワーファイターであり、完全にへばるまで20分ほど掛かることもある。
~習性~
草食で岸辺に生えた葦などの葉が主食である。そのため岸辺に緑が茂る4~11月が釣期である。成長も早くそのほとんどが1mを超える。周囲の静かな時に岸に寄って餌を食うため、夜釣りに分があるが早朝や夕方にも岸に寄る。また、潮の干満のある地域では潮位が大きく上がる満潮時に岸に寄る。そのためアタリのあるタイミングが比較的に掴みやすく短期決戦も可能である。
~仕掛け・タックル~
・ロッド
磯竿3~5号や石鯛竿が良い。食い込みを重視する必要があるため穂先の柔らかい竿がよい。あまり短い竿は柔軟性に掛け、魚との距離も近くなるためあまり向かない。5m前後の竿を推奨。
・リール
上記竿に合わせたもので大丈夫である。道糸ナイロン8号が150mほど巻ける物。PEラインを使用するなら2.5号以上を150mほど巻けるものがよい。
・オモリ
オモリは風や流れなどで仕掛けが浮いたり動いたりしないように必要な為、8~12号程度が良い。中通しの物がトラブルも少ないためオススメ。
・ハリス
・針
必要以上に太くする必要はない。根に潜るような魚ではないのでナイロン6号程度、PEの5号程度がよい。
丸型の物が良い。草仕掛けの場合は違和感を感じさせないために伊勢尼14号やチヌの8~10号など。パン仕掛けの場合はなぜか小さい針だと抜けてしまうことが多いのでソイの20号や豪鯉などの鯉針の20号程度がよい。
~釣季~
その食性のせいで草が生える4月~11月までの釣りとなる。特に5月~9月が高活性であり釣りやすい。シーズン初期はスレていない個体が多くシーズン終盤の叩かれてからだと食いは非常にシビアになることが多い。シーズン後半でも釣果を伸ばすコツはとにかく新規ポイントを攻めることである。
~釣り方~
草を食むベジタリアン故に特殊な釣り方となる。狙いは水深30~1mほどの岸際である。竿の真下で狙えるようなセッティングにし水面ギリギリに餌をセットする。草針仕掛けとパン仕掛けがある、草針仕掛けは外道に悩まされることがなく餌持ちも断然良い。なによりも草魚釣りでしか味わえない独特の釣趣がある。パン仕掛けは亀や鯉などの外道に弱いが食い込みも断然よく、食えばそのほとんどが食い込む。地域にもよるがより自然に近い場所の場合、草魚がパンを餌と認識しないこともあるため都市型河川向けの餌でもある。どちらにせよ基本は置き竿のブッコミスタイルである。(仕掛けは水面にあるのだが)竿は1~2本とし草とパンで分けても良い。向こうアワセとなることが多いため竿をセットしたらドラグを緩めて竿から離れて待機する。
草針の場合は以下の写真の通り2~3本針にすると良い。水面で餌の葉が笹船のように浮かぶ状態がベスト。
パン餌の場合は普通に1本針でOKである。
針付けはなるべく針があることを悟られないように草に平行になるように刺す。
私の場合は二本竿とし、下流に草針、上流にパン餌となるようにする。
~草針仕掛け~
草魚の釣期は4月から始まるが、草針仕掛けが威力を発揮するのは岸際の葦が伸びる5月半ば以降となる。
干満のあるポイントであれば、大潮の満潮時に水面まで葦が届くポイントをいくつか探しておく。
キーとなるのはそのポイントの干潮時である。
干潮時に目星のつけていたポイントで葦の葉先を確認する。
草魚が回遊していれば葉先は引きちぎったようにギザギザになっている。
また、確実な方法では元気の葦を茎ごと3~5本程度束ねて紐で縛って岸際に垂らしておく。
後日確認したときに食われていれば草魚は間違いなく回遊してくる。
実釣はなるべく干潮時から始める。警戒心の強い草魚は満潮近くに岸際で騒がしくしていると寄ってこない。
なるべく岸際に寄る前にセッティングは済ませておきたい。
上記は干満のある地域での狙い方であるが、もちろん草魚は干満の影響の無い地域にも生息している。
そのようなポイントでは勝負は周りの静かになる夜である。(干満のある地域でも夜の満潮時は圧倒的にアタリが多い)
周りの静かになったタイミングで忍者のように忍び寄り草を食んでいる。
仕掛けは上記の針を基本とした1~3本針が良い。
竿先を見てこちらからアワセを入れていくなら1本針で良いが向こうアワセとする場合は2本以上は欲しい。
餌の付け方は下記の写真を参考にしてほしい。針は葉のどちら端を食っても良いように両端に刺す。
1本針の場合は葉先の端につければ良い。
針をセットしたら葦の葉状にハサミで葉をカットするとよい。
向こうアワセの場合は必ずドラグはフリーにしておく。
~パン仕掛け~
ポイントの探し方は基本的に草針と同様である。
こちらは外道が掛かることがあり餌持ちが悪いが食い込みは抜群に良い。
しかしながら基本は鯉のパンプカ釣り同様に釣趣には欠ける。
まず草魚を釣ってみたいという人にはオススメである。
鯉狙いのパンプカ同様に流して目視で食ったのを確認し、アワセる方法でも良いがここでは是非、置き竿にて向こうアワセで掛けるパン仕掛けの釣りを紹介したい。
針やハリスなどの仕掛けについては上記の通りである。
基本的には岸際に浮かべ、餌となる葉を探して岸際を回遊している草魚を狙い撃つ。