異国からの愉快な訪問者 ~実食編~
今回は常陸利根川で釣れたアメリカナマズを料理してみる事にした。 釣果については本編で説明されているのでここでは省かせて頂き、料理した感想を書かせて頂く。
今回持ち帰ったのは40㎝程の食べ頃とされる大きさ。ニホンナマズと比べると似て非なる魚であり、とても尾びれが大きく全体的に筋肉質といった印象を受けた。
料理すると魚臭さが残ると言うが釣ったばかりはあまり臭さを感じる事は無く美味しそうな魚に見える。 原産国のアメリカではフィッシュ&チップスや、スープ料理のガンボの材料になるなど原産国では馴染みのある魚である。
聞く話によると綺麗な個体が美味しいとの事。
現地で神経〆して持ち帰るのもアリだが今回は神経〆はせずに氷〆だけで持ち帰った。
早速料理していくが、まず最初に感じたのは骨が硬い。今まで色々な魚を捌いて来たが淡水魚の中ではトップクラスの強靭な骨である。同サイズの真鯛よりも硬いのでは無いかと思う程の硬さなので、関節に刃を入れて鯖折りにして頭を落とした。身はしっかりとハリがあり、藻エビや甲殻類を主食としているのか、身は少しオレンジがかっていて実に美味しそうである。
体表のヌメリが身に付くと臭みが出ると聞いたので丁寧に捌き、三枚に卸し、皮も引いた。
ネット検索をかけると川フグと言って刺身で食べている所も見受けられたがこの手の魚を刺身で食べるのは少々怖いため、どんな魚も美味しくなる唐揚げにする事にした。
半身は魔法のバジルと、塩胡椒で下味を付けもう片方は何もしないで一昼夜冷蔵庫で寝かせる。
下味を付けた方には小麦粉、下味を付けてない方には唐揚げ粉をまぶし油で揚げていく。
5分程でこんがりと揚がった。非常に美味しそうである。
早速食べてみると、臭みやクセは無く美味しい白身魚と言った印象を受けた。鶏肉に近いと聞いていたので鳥のむね肉を想像していたが、柔らかいササミと言った歯応えで魚と鶏肉の合の子と言った感じである。
スープ料理に使われるのも納得の食感を感じた。
何の味も付け無い素揚げも食べて見たが一晩置いたせいか、若干のクセと臭みを感じた。 魚の身合いから、皮やヌメリに臭みがあるようなので皮を引き、少し大ぶりに身を分け濃い目の味付けで唐揚げやスープにすると美味しく食べる事が出来そうだ。試してはいないがソテーやムニエル、塩を軽く振った塩焼きも美味しいかも知れない。 少し日を置いたり、冷凍した物を再解凍すると臭みが出るようなので、新鮮な物を日が早いうちに食べたいと感じた。
あとがき 今回の釣行で感じたのはアメリカナマズのその圧倒的な数と貪欲な食欲だった。仲間が紙コップの切れ端を付けて置いたらそれにバイトしたり、仕掛けが毎回フォールでひったくられるなどその貪食と数は恐ろしささえ感じた。 しかし、居れば釣れるその手軽さは他の魚には中々無い魅力と感じられる。 骨が硬い以外は身もしっかりしていて捌きやすい魚なのでもしアメリカナマズを釣る事があれば一度食べてみるのはどうだろうか?